パーソナルジムの料金と相場の見方
ジムの料金表で最初に目に入るのは月額です。ところが月額の数字だけでは、実際に払う金額が出ません。契約期間の条件と、入会金と、オプションが別にあるからです。
このページは、料金表から総額を出す手順を書きます。公式サイトに実際にどう書かれているかを例として使います。
手順は4つ
- その月額が、どのプランのものかを見る
- 契約期間の条件が付いていないかを見る
- 入会金があるかを見る
- 使うつもりのオプションを足す
順番に見ていきます。
1. 月額は、いちばん安いプランの数字が出る
料金表に複数のプランがあるとき、広告や紹介記事に出るのはたいていいちばん安いものです。KARADA BESTA の公式サイトには4つのプランが並んでいます。
| プラン | 月額(税込) | 入会金(税込) |
|---|---|---|
| 月額定額12ヶ月プラン | 33,000円 | 33,000円 |
| 月額定額6ヶ月プラン | 36,300円 | 33,000円 |
| 月額定額プラン | 43,780円 | 33,000円 |
| メンテナンスプラン | 16,500円 | なし |
いちばん安いのはメンテナンスプランの16,500円ですが、これは月4回までのプランで、公式サイトには「入会月含まず3ヶ月以上在籍された方のみ利用可」と条件が書かれています。最初から選べません。
新しく入る人が比べることになるのは、12ヶ月プラン・6ヶ月プラン・期間の縛りがないプランです。
2. 契約期間の条件を探す
33,000円という数字には、注記が付いています。公式サイトのよくある質問にこうあります。
*月額定額33,000円(税込)のプランは12ヶ月契約となります。
この月額は12か月続けることとセットです。同じサービスでも、期間の縛りがないプランは43,780円で、差は月10,780円あります。
料金表に「※」や「*」が付いた数字を見つけたら、その注記を最後まで読んでください。ここに期間の条件が入っていることが多いです。
3. 入会金を足す
公式サイトには支払う内訳がこう書かれています。
KARADA BESTAは、入会金33,000円(税込)+*月額定額33,000円(税込)をお支払いいただくことでご利用いただけます。
入会金は初回だけですが、金額は月会費と同じです。1か月目に払う金額は66,000円になります。
4. オプションを足す
契約する店舗以外も使いたい場合や、ウェアを借りたい場合は、月額に上乗せされます。
| オプション | 月額(税込) |
|---|---|
| パスポートプラン(全店舗を使える) | 3,300円 |
| レンタルウェア(ウェア・タオル) | 4,400円 |
総額を出す
12か月プランを最後まで続けた場合の総額は、こうなります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 入会金 | 33,000円 |
| 月会費 33,000円 × 12か月 | 396,000円 |
| 合計 | 429,000円 |
レンタルウェアを付けるなら、さらに4,400円×12か月で52,800円が乗ります。
429,000円という数字は、月額33,000円という表示からは見えません。ここまで出してから、通える回数と時間に見合うかを考えることになります。
回数の条件も見る
「通い放題」と書かれていても、1日に何度でもという意味とは限りません。公式サイトのよくある質問にこう書かれています。
なお、ご利用は1日1回、事前予約制となっております。
月に何回でも通えますが、1日1回で、予約が要ります。予約が取れるかどうかは通える回数に直結します。体験に行ったときに、行きたい時間帯の空き状況を聞いておくとよいです。
回数券の場合は、有効期限が期間の定めになります。期限で扱いが分かれるところはヘッドスパの回数券は解約できるかにまとめました。頭皮の施術も同じ枠なので、数え方はそのまま使えます。
同じ月額でも、中身が違う
月額を比べるときは、その金額に何が含まれているかまで見ないと比較になりません。KARADA BESTA の場合、公式サイトの料金ページには、含まれるサービスとしてパーソナルトレーニング、セルフエステ、有酸素マシン、ミラーフィット、ウォーターサーバー、シャワールームが挙げられています。ただし「店舗によって設備が異なる場合がございます」と注記が付いています。
つまり、行こうとしている店舗にその設備があるかどうかは、店舗ごとのページで確かめることになります。設備を目当てに選ぶなら、ここを飛ばせません。
1回あたりの単価は、通える回数で決まる
月額を通う回数で割った数字が、紹介記事にはよく出てきます。ただしその数字は、その回数を実際に通えたときにしか成り立ちません。
| 月に通う回数 | 1回あたり(月額33,000円のとき) |
|---|---|
| 4回 | 8,250円 |
| 8回 | 4,125円 |
| 12回 | 2,750円 |
月8回なら4,125円ですが、仕事の都合で月4回になれば8,250円です。予約制で1日1回なので、通える曜日と時間帯が限られる人は、少ないほうの数字で考えたほうが実態に近くなります。
比べるときに揃える項目
複数のジムを比べるときは、次の項目を同じ形で並べると差が見えます。
- 契約期間の縛りがあるか、あるなら何か月か
- 入会金の有無と金額
- 月額に含まれるもの
- 別料金のオプション
- 1回あたりの時間と、1日に使える回数
- 途中でやめたときの扱い
このうち6番目は、料金表ではなく契約書面と概要書面(契約する前に渡される、料金と解約の条件を書いた書面)に書かれています。体験の日に渡される書面で確かめる項目です。
表示されている数字の出どころを見る
料金の情報は、公式サイトの料金ページ、紹介記事、店舗のページの3か所に出てきます。この3つは更新のタイミングが違うので、金額が食い違うことがあります。
このページの数字は、すべて公式サイトの料金ページから取っています。紹介記事に出ている数字とずれていた場合は、公式サイトのほうが新しいと考えて、体験の日に窓口で確かめるのが確実です。キャンペーンの金額はとくに入れ替わりが早いので、いつ時点の表示かを見てください。
初回体験に出る「通常価格◯◯円」の側は、景品表示法が見ています。根拠の資料を出させる仕組みが価格の側に置かれていないことは、初回限定価格の「通常価格」は誰が確かめるかに分けて書きました。
全コースの総額が並んでいる例
ここまでの手順は、料金表に総額が出ていない場合に自分で足し算するためのものです。先に総額を出している事業者もあります。
このサイトが載せている MIYAZAKI GYM は、特商法のページに全コースの価格を税込で並べています。
| コース | 総額 | 1回あたり |
|---|---|---|
| 48回 | 369,600円 | 7,700円 |
| 24回 | 211,200円 | 8,800円 |
| 16回 | 176,000円 | 11,000円 |
| 8回 | 96,800円 | 12,100円 |
| 都度払い | — | 13,200円 |
体験レッスンは5,500円、入会金は22,000円(当日入会で無料)です。運営は株式会社リーブルで、所在地も同じページにあります。
1回あたりの単価が回数で変わることが、そのまま読み取れる形になっています。48回なら7,700円、8回なら12,100円です。上で見た「1回あたりの単価は、通える回数で決まる」が、この表に出ています。
ペアレッスンは1回あたり2,200円増です。分割払いは提携信販の審査と条件によるという注記も、同じページにあります。別料金の項目まで同じ場所に書かれているかどうかが、比べるときの手間を大きく変えます。
月額制のほうは、縛りの有無で金額が変わる
回数で買う形とは別に、月額制のジムもあります。その場合に見るのは、契約期間の縛りがあるかどうかです。
このサイトが載せているスターライトフィットネス(札幌)は、同じプランを2本立てで出しています。「縛りなしプラン」と「年間プラン」です。月1会員なら月額12,000円と8,800円です。月2会員は16,000円と12,100円、ダイエットコースは20,700円と18,700円になります。年間プランのほうが月あたり2,000〜3,900円安くなります。
ここで効いてくるのが、上の項目1です。年間プランは12か月です。月額8,800円でも総額は105,600円になります。期間が1か月を超え、総額が5万円を超えるので、契約の形によっては解約の権利が付く側に入ります。
このジムの特定商取引に関する表記には、月会員契約の中途解約について書かれていません。書かれているのは「セミナー受講」と「物品」のキャンセルです。パーソナルトレーニングの契約とは別のことになります。年間プランを選ぶなら、途中でやめたときの扱いを体験の日に聞くことになります。
同じ回数でも、1回の長さで総額が変わる
回数と入会金を揃えても、まだ揃っていないものがあります。1回が何分か、です。
このサイトが載せている ACCEPT(銀座)は、30分コースと60分コースの回数券を同じページに並べています。
| 回数 | 30分コース | 60分コース |
|---|---|---|
| 5回 | 38,390円 | 76,780円 |
| 8回 | 61,600円 | 123,200円 |
| 12回 | 85,800円 | 171,600円 |
| 16回 | 110,000円 | 220,000円 |
| 24回 | 158,400円 | 316,800円 |
同じページに一文があります。
料金はすべて税込です。
栄養指導は回数券に含まれます。入会金は33,000円(税込)、都度払いは30分7,700円・60分15,400円です。分割払いは最大3分割までと書かれています。運営はパーソナルジムACCEPT合同会社で、所在地と代表者は会社概要のページにあります。
24回で見ると、30分と60分で158,400円の差が出ます。1回あたりなら5,280円と6,600円で、差は1,320円です。回数だけを揃えて比べると、この差が総額の側に出てきます。上の「比べるときに揃える項目」に1回の長さを入れているのは、このためです。
期限を設けないと書いてある回数券がある
回数券には有効期限が付くことが多く、そこで買った回数を使い切れるかが決まります。ACCEPT の料金の説明は、そこを別の形にしています。
しかし、ACCEPTでは“無期限で使える回数券制”を採用。
期限が書かれていないのではなく、期限を設けないと書いてあります。どちらも「いつまでに使えばよいか」が表に出ていない点では同じに見えます。ただし読者にとっての意味は逆です。後者は、買った回数が消えないという説明になります。
そのうえで、この書き方は次の項目に効いてきます。「いつまで」と区切っていない契約が、期間の線を超えたことになるのか。そこが条文の文言からは読み切れません。そこはヘッドスパの回数券は解約できるかにまとめました。
総額が5万円を超えるかどうかは、権利に効く
ここで出した総額には、もう1つの意味があります。支払う総額が5万円を超え、期間が1か月を超える契約は、特定継続的役務にあたります。あとからやめる権利が付くかどうかが、ここで決まります。
線の引き方はパーソナルジムのクーリングオフ条件、やめたときの計算はパーソナルジムの中途解約と請求額にまとめました。店舗ごとの場所と体験の予約はカラダビスタの料金と体験の流れにあります。
先に払う額が五万円を超えると、事業者に決算の書類を備え置く義務が付きます。何が置かれるのかはパーソナルジムに前払いする前に見られる書類にまとめました。出した総額を確定申告で戻せないか、という道もあります。所得税法施行令207条が医療費の範囲を七つの号で挙げていて、パーソナルトレーニングがそこに入っているかはパーソナルジムの料金は医療費控除の対象かにまとめました。